建築会社の企画の場合、机上の利回りを確保するため(オーナーさんに建築する気持ちになってもらうため)、
単身者用の物件で、1部屋の面積が小さい1ルームを提示してくる事が多く見受けられます。
(中には、いまだだにバストイレ洗面が1室に収まった3点ユニットでプランを入れてくる建築会社もいるので驚きます)
1部屋を小さくすると総戸数が多くなりますし、単身者向け物件の場合は賃料の平米単価が高めなので、計算上は高い利回りになるのですが、こういった企画は明らかに消費者ニーズを無視しており、『建築の仕事を取る為だけの』企画と言わざるを得ません。
ファミリー向け物件でも、実際に居住する入居者の居住快適性を無視しているような、今やファミリー向け賃貸市場の大きな競合相手である分譲マンションに全く対抗出来ない、魅力のないプランを入れてくる建築会社があります。
(小さな収納、6畳未満の部屋、水廻り設備のグレードの低いもの、駐輪場、駐車場、独立した玄関....)
建築費を安くして、利回りを良く見せるため、消費者が求める設備を付けずに企画してくる場合もあります。
設計事務所が企画を主導した場合、主にデザイン性・独自性に目が向きすぎてしまい、コストや市場ニーズが二の次になってしまう場合が見受けられます。他の物件と差別化を図る事も重要ですが、あまりにデザインを優先すると居住性が失われてしまいます。そういった物件は、一見すると目をひくため『見学に来る人はたくさんいるが、結局は契約してくれない』という状態に陥り、建築コストが高い割に空室率が高くなる場合があります。
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